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にっき

hachiwa.exblog.jp

黄雀楼の日記です。三国・春秋語りや無双ネタバレトークなどもあります。

『三国志平話』の転生譚と演義の史実化

【2009.03.15の日記】


そういえば、『演義』の元ネタの一つに、元の頃に出版された『三国志平話』という書物があるのですが(こーえーさんから訳が出てますよ/笑)、その冒頭に語られる話によると、三国の三英雄…すなわち曹操・劉備・孫権は、漢の建国に功績があったにも関わらず誅殺された三人の名将の生まれ変わりである、という話があるんですよね。

韓信が曹操、英布(黥布)が孫権、彭越が劉備に生まれ変わって漢を三分し、彼らを殺した劉邦・呂后を献帝とその皇后に生まれ変わらせて報いを受けさせる、という話になっているのです。で、それらを決定した裁判官である司馬仲相という人物を司馬仲達に生まれ変わらせ、この名裁判を嘉して天下を統一させることになった…とかとか。

『演義』は、この荒唐無稽な話をバカバカしいと思ってか採用していないのですが、『平話』にはそんな荒唐無稽すぎる話が残ってるようです。『演義』は、レベルの高い読者の要望に堪えるようにするため、あまりに荒唐無稽な話は切り捨て、史実に基づいて修正を加えていったようです。まあ、『演義』が最も参考にしているのは正史三国志と司馬光の『資治通鑑』・朱熹の『通鑑綱目』(およびそれらの関連書)であって、『平話』ではないので、ある意味それが自然なのかもしれません…。

『演義』の史実化については、金先生の『三国志演義の世界』に詳しかったです(<読了しました)。わたなべよしひろさんの『図解雑学三国志演義』にも、そのあたりの話があると思いますので、お持ちの方はご覧くだされ…。
by huangque | 2011-01-01 04:50 | 三国関連

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